ポリグロッツ池田の 英語教材真剣レビュー#2
発音をゼロから学ぶならどっち?『あいうえおフォニックス』 vs 『英語の発音をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』

イラスト:バミ
人気の英語教材を買おうと思っても、結局どれがいいのかわからない…。
そんな教材選びの悩みを少しでも減らすため、教材オタクであるポリグロッツ営業部の池田が、同じ目的・レベルで人気を集める英語教材を毎回2つピックアップし、自腹で購入して実際の中身を比較していく「ポリグロッツ池田の 英語教材真剣レビュー」。
第一回はこちら!⇩
https://mag.polyglots.net/4483/textbook-review1
今回も、池田が実際に教材を使って、それぞれの特徴をじっくり見ていきます!
ポリグロッツ池田営業部2年目。教養学部卒。
お年玉は全額英語の参考書に使っていたという、生粋の教材オタク。
一番好きな英語教材は『ポレポレ英文読解プロセス50』/ 代々木ライブラリー
発音をゼロから学ぶならどっち?
第2回のテーマは、「発音をゼロから学ぶための教材」です。
単語や文法をたくさん勉強して、英語の知識は増えてきた。それでも、いざ英語を話そうとすると発音に自信がなく、口に出すのをためらってしまう。そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。
英語を実際に使ううえで、発音は避けて通れないポイントのひとつです。日本語にはない音や、英語特有の音のつながりなどを基礎から学ぶことで、自分の英語を相手に伝えやすくなるだけでなく、リスニングにも役立ちます。
今回比べるのは、この2冊です。
『あいうえおフォニックス シリーズ』
vs
『英語の発音をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』

どちらも発音を基礎から学べる教材ですが、そのアプローチは大きく異なります。実際に2冊を使いながら、「発音をゼロから学ぶならどちらが自分に合っているのか」を比べていきます!
| 『あいうえおフォニックス 英語の母音をひらがな5つで完全攻略!』/『あいうえおフォニックス 2 英語の[子音]編 日本人が苦手な発音を徹底攻略!』 | 『英語の発音をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』 | |
| 著者・監修 | スーパーファジー | 山田暢彦 監修 |
| 出版社 | KADOKAWA | Gakken |
| 発売 | 2020年3月/2020年11月 | 2022年12月 |
| 判型 | A5 | A5 |
| ページ数 | 192ページ/208ページ(計400ページ) | 176ページ |
| 出版社公式価格 | 各2,200円(税込)(計4,400円) | 1,980円(税込) |
| 主なテーマ | 母音・子音・フォニックス | 母音・子音から音の変化、リズム、会話まで |
| 動画・音声 | QRコードから発音動画(母音編98個/子音編196個) | 音声あり。QR・ダウンロード等で利用可能 |
| 特徴 | 日本語の感覚を入口に、英語の音とつづりの関係を学ぶ | 中学英語レベルから発音全般を段階的に学ぶ |
では、それぞれの特徴を見ていきましょう。
『あいうえおフォニックス』シリーズ
英語のつづりと発音の関係を学ぶ「フォニックス」を、日本語の感覚を使いながらわかりやすく学べるシリーズです。
今回取り上げるのは、母音を扱う『あいうえおフォニックス 英語の母音をひらがな5つで完全攻略!』と、R・L・THなどの子音を扱う『あいうえおフォニックス 2 英語の[子音]編 日本人が苦手な発音を徹底攻略!』の2冊。母音編と子音編をあわせて取り組むことで、英語の基本的な音を幅広く学べる構成になっています。
大きな特徴は、発音記号や難しい専門用語から入るのではなく、「あかるい『あ』」「くらい『あ』」など、日本人にもイメージしやすい表現を使って音の違いを説明していること。英語のつづりと音の関係を確認しながら、発音のルールを感覚的につかんでいきます。
誌面にはQRコードが掲載されており、解説に対応した発音動画をすぐに確認できます。イラストと動画を使いながら実際の音を聞いてまねできるので、発音記号に苦手意識がある人でも取り組みやすそうなシリーズです。
『英語の発音をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』
英語の発音を、母音や子音の出し方から、文章を自然に読むための音の変化まで順番に学んでいく一冊です。
まずは日本語と英語の音の違いや、口・舌の使い方といった基本からスタート。その後、母音・子音だけでなく、音のつながりや消失、文のリズムやイントネーションまで段階的に学んでいきます。
1レッスンが見開きで完結する構成になっているため、「今日はここまで」と区切りながら進めやすいのも特徴。イラストやカタカナによる補助も使われていて、発音記号に慣れていない人でも、実際に口を動かしながら学べるようになっています。
後半には、学んだ発音を使って英文を声に出す「なりきりSpeak!」などの練習も収録。単音の出し方だけで終わらず、実際に英語を話すときの音のつながりやリズムまで練習できる構成です。
発音に苦手意識はあるけれど、何から始めればいいのかわからないという人が、基礎から順番に学び直しやすい一冊です。
ポリグロッツ池田が2冊を徹底レビュー!
基本評価項目
| あいうえおフォニックス | 英語の発音をもう一度ひとつひとつわかりやすく。 | |
| 始めやすさ | ★★★★ | ★★★ |
| わかりやすさ | ★★★★★ | ★★★★ |
| 続けやすさ | ★★★ | ★★★ |
| 周回しやすさ | ★★ | ★★★ |
| ボリューム | ★★★★ | ★★★★★ |
| 音声・付属コンテンツ | ★★★★★ | ★★★ |
| コスパ | ★★ | ★★★★ |
『あいうえおフォニックス』は、文字がぎっしり詰まっておらず、イラストも多いため、発音学習が初めてでも手に取りやすく、内容も直感的に理解しやすい点が高評価に。QRコードからすぐに発音動画を確認できるため、音声・付属コンテンツも★★★★★です。一方、母音編と子音編の2冊に分かれているため、すべて取り組もうとすると価格はやや高め。周回するための仕組みも強くないため、周回しやすさは★★となりました。
『英語の発音をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』は、子音・母音だけでなく、リンキングやリダクション、英会話フレーズまで幅広く扱っており、1冊で学べる内容の充実度は★★★★★。一方、『あいうえおフォニックス』と比べると紙面の情報量が多く、最初に開いたときの取り組みやすさは★★★となりました。音声も用意されていますが、1回約2分ほどのものが多く、発音を確認したいときにはやや長く感じたため、音声・付属コンテンツは★★★という評価です。
発音をゼロから学ぶ評価項目
続いて、この2冊独自の評価項目を見ていきます。
①:初めて見る単語にも応用できる度
あいうえおフォニックス:★★★★★
英語の発音をもう一度ひとつひとつわかりやすく。:★★★★
ポリグロッツ池田『あいうえおフォニックス』は、母音・子音それぞれについて、英語のつづりと発音のルールを細かく学べるので、初めて見る単語でも「このつづりならこう発音しそう」と予想しやすいと感じました。基本はアメリカ英語の発音ですが、イギリス英語と大きく発音が違う場合はイギリス英語での発音例もあげてくれたりする点が親切だと思いました。『英語の発音をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』も母音・子音を幅広く学べますが、アメリカ英語に限定した解説なので、イギリス英語との違いを比較することはできませんでした。
②:お手本をマネしやすい度
あいうえおフォニックス:★★★★★
英語の発音をもう一度ひとつひとつわかりやすく。:★★★★
ポリグロッツ池田『あいうえおフォニックス』は、イラストがわかりやすいうえ、1〜2分ほどの短い動画の中で発音のポイントと実際の音を確認できるので、とてもマネしやすかったです。動画自体のクオリティも高く、音楽に合わせて単語の発音を練習できるのもよかったです。『英語の発音をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』も口や舌の動きをイラストで確認でき、音声と練習問題がセットになっているため、ただ聞き流すのではなく、自分で考えて発音しながら練習できました。
③:会話・リスニングにつながる度
あいうえおフォニックス:★★★
英語の発音をもう一度ひとつひとつわかりやすく。:★★★★★
ポリグロッツ池田『あいうえおフォニックス』は、一つひとつの単語の発音や音を聞き分ける練習にはかなり役立ちそうですが、フレーズや文章を使った練習は多くないため、会話まで直接つなげるにはもう一段階必要そうです。一方、『英語の発音をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』には、学んだ発音を会話フレーズで練習する「リアル英会話トレーニング」や、日常で使いやすいフレーズを声に出す「なりきりSpeak!」があり、学んだ発音を実際の会話に落とし込みやすいと感じました。
『あいうえおフォニックス』を使ってみて
『あいうえおフォニックス』は、イラストや動画がかなりわかりやすく、紙面にも余白があるので、発音をゼロから学ぶ人でも抵抗なく取り組みやすいと感じました。説明自体は端的ですが、必要なポイントはしっかり押さえられていて、わからない音が出てきたときに辞書のように見返しやすいのもよかったです。
アメリカ英語をベースにしながら、イギリス英語ではどう発音するのかにも触れられているので、同じ音の違いを比較しながら理解できます。短い動画で実際の音や口の動きを確認できるのも、このシリーズならではのわかりやすさだと思います。
母音編では、日本人にとって特に区別が難しい母音を細かく学び、続く子音編ではR・L・THなどの子音や音声変化まで練習できます。まず母音編で英語の音をゼロから捉え直し、そのあと子音編に進むことで、発音を一つずつ丁寧に身につけたい人にはかなり向いていると思います。
一方で、2冊に分かれていて一つひとつの音を細かく学んでいく教材なので、発音全体の要点を一気につかみたい人には少しテンポがゆっくりに感じるかもしれません。キャラクターや動画と一緒に楽しく始められるので、子どもの初めての発音学習はもちろん、大人が発音を基礎から学び直したいときにも使いやすいシリーズだと感じました。
『英語の発音をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』を使ってみて
『英語の発音をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』は、母音・子音からリンキングやリダクション、英会話フレーズまで、発音学習に必要な内容が一通りまとまっています。アメリカ英語をベースに、基礎から順番に進んでいくので、発音について何から勉強すればいいのかわからない人にも取り組みやすい構成です。
特によかったのは、Exerciseで理解度を確認しながら進められるところです。音声を聞いてまねするだけではなく、自分で考えて発音する機会があるので、学んだ内容をその場で実践できます。「なりきりSpeak!」など、日常で使うフレーズを声に出す練習があるのもよかったです。
一方で、扱う範囲が広いぶん、一つひとつの音についての解説は比較的コンパクトです。細かな違いまで詳しく知りたい人には少し物足りないかもしれません。また、1ページの情報量はやや多めなので、最初は少し読みづらく感じる部分もありました。
発音のポイントを効率よく押さえながら、問題を解いて実践まで進められるので、教材に沿って頭から順番に学習していきたい人には特に使いやすい一冊だと思います。
まとめ
いかがでしたか?
今回のレビューでは、どちらも発音を基礎から学べる教材ですが、発音へのアプローチにはかなり違いがありました。
『あいうえおフォニックス』は、母音・子音それぞれの音を細かく確認しながら、英語の発音そのものをじっくり身につけたい人に向いたシリーズ。テストのために必要な範囲だけではなく、「実際に話したときにきちんと伝わる発音」にこだわって学びたい人と相性がよさそうです。また、動画やイラストが親しみやすく、子どもの初めての発音学習から、大人の学び直しまで使いやすいシリーズです。
一方の『英語の発音をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』は、母音・子音からリンキングやリダクション、英会話フレーズまで、発音学習に必要な内容を1冊で一通り学べるのが強み。発音の要点をまずつかみたい人や、学んだことをそのまま会話練習までつなげたい人には、こちらが向いていそうです。
あいうえおフォニックス:話す・伝えるための発音をじっくり。細かな音の違いまで身につけたい人に
英語の発音をもう一度ひとつひとつわかりやすく。:発音の基本を1冊で総復習。順番に学んで身につけたい人に
次回も、池田が自腹で人気教材を購入し、それぞれの特徴をじっくり比べていきます。次はどんな教材が登場するのか、お楽しみに!




