ポリグロッツ池田の 英語教材真剣レビュー
#1 TOEIC600点を目指すならどっち?『銀フレ』と『キクタン』を比べてみた

イラスト:バミ

人気の英語教材を買おうと思っても、結局どれがいいのかわからない…。

そう感じたことのある英語学習者の方は多いのではないでしょうか?

インターネットでおすすめの教材を調べると、「おすすめ10選」や「人気教材ランキングTOP20」と言った記事がたくさんヒットします。

でも、10冊20冊紹介されても、そこから自分が手に取るものをどう選べばいいのかわからないですよね。

そんな教材選びの悩みを解決するべく、教材オタクであるポリグロッツ営業部の池田が、同じ目的・レベルで人気を集める英語教材を毎回2冊ピックアップして自腹で購入し、実際の中身を比較していく新連載をスタートします!

みなさんと同じ英語学習者の視点から、自分のレベルや目的にピッタリ合った「最高の1冊」に出会うための手助けをしていきます。
月に1回更新の本連載、どうぞお付き合いください!

ポリグロッツ池田

営業部2年目。教養学部卒。
お年玉は全額英語の参考書に使っていたという、生粋の教材オタク。
一番好きな英語教材は『ポレポレ英文読解プロセス50』/ 代々木ライブラリー

TOEIC600点を目指すならどっち?

記念すべき第1回のテーマは「TOEIC600点を目指す人の単語帳」。

TOEIC L&Rは、2024年度だけでも約177万人が受験している英語試験。
就職や転職、社内での評価などを目的に受験する人も多く、公式サイトでも、英語力を仕事に活かしたい人がまず目指したいスコアのひとつとして600点が紹介されています。

600点突破を目指すうえで、欠かせないのが単語学習です。
単語が定着していないと、音声を聞き取れなかったり、文章を読むスピードが落ちたりします。TOEICでは、Part 5の語彙問題だけでなく、リスニングや長文読解でも語彙力がスコアを大きく左右するため、単語学習はどのパートにもつながる基礎力といえます。

今回比べるのは、この2冊です。

『TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ』
TEX加藤/朝日新聞出版

vs

『キクタンTOEIC L&Rテスト SCORE 600』
一杉武史/アルク

TOEICの単語帳を探したことがある方なら、どちらも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

『銀のフレーズ』は、人気の「出る単特急」シリーズの600点向け単語帳。『キクタン』も、聞いて覚える単語帳として長く支持されてきた人気シリーズです。

『TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ』『キクタン TOEIC SCORE 600』
著者TEX加藤一杉武史
出版社朝日新聞出版アルク
価格979円(税込)1,760円(税込)
ページ数280ページ356ページ
対象レベルTOEIC600点を目指す学習者英語初級以上/TOEIC350点〜、600点突破を目指す学習者
収録内容TOEIC頻出・重要単語1000語1120の単語・熟語
音声全単語・フレーズの無料音声ありチャンツ、フレーズ、センテンス音声あり
付属・機能音声ダウンロード(web)、赤シート音声ダウンロード(アプリ)、赤シート

では、それぞれの特徴を見ていきましょう。

『TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ』

TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ

著者:TEX加藤

出版社:朝日新聞出版

発売日:2018年2月20日

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TOEIC単語帳の定番『金のフレーズ』の基礎固め版として作られた一冊で、TOEIC600点を目指すために押さえておきたい1000語が収録されています。

収録語は、
基礎の400語
頻出の300語
必須の200語
発展の100語

という4段階。

単語だけを覚えるのではなく、TOEICで使われやすい短いフレーズとセットで覚えていくのが特徴です。

難易度順に並んだ1000語を順番に覚えながら、各単語の解説欄にある派生語や関連語にも目を通していくことで、確実に単語力を向上できる一冊です。

1冊が比較的コンパクトなので、「まず1000語を一通り覚える→もう一周する」という使い方もしやすい印象。単語帳を何度も繰り返して覚えるタイプの人には、かなり相性がよさそうです。

さらに、特急シリーズは掲載されている全ての単語とフレーズの音声を無料でダウンロード可能。付属の音声を聞き、自分でもフレーズを口に出してみることで、単語を効果的に定着させることができそうです。

『キクタンTOEIC L&Rテスト SCORE 600』

【音声DL付】キクタンTOEIC(R) L&Rテスト SCORE 600

著者:一杉 武史

出版社:アルク

発売日:2020年3月9日

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「聞いて覚える」をコンセプトにした人気単語帳シリーズ「キクタン」の、TOEIC600点突破を目指す一冊です。シリーズ全体で550万部を突破しているロングセラーで、本書には600点レベルで身につけておきたい1120の単語・熟語が収録されています。

学習は1日16語ずつ、10週間で進める構成。1回の学習量があらかじめ区切られているため、自分でペースを決めるのが苦手な人でも、毎日の習慣として取り組みやすくなっています。最短では1日2分から学習できるため、通勤や通学などのスキマ時間にも取り入れやすそうです。

そして、キクタン最大の特徴といえるのが、充実した音声コンテンツです。
単語をリズムに合わせて聞く「チャンツ」ではアメリカ英語とイギリス英語の2種類の発音を収録。さらにセンテンスでは、アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアの4カ国の発音を聞くことができます。
600点突破に必要な語彙を覚えながら、TOEICのリスニングで触れるさまざまな英語の音にも慣れていける構成です。

センテンス音声には日本語訳の読み上げも用意されており、日本語と英語を耳から確認しながら学習することも可能。英語のみの音声も選べるため、最初は日本語訳つきで意味を確認し、慣れてきたら英語だけで聞くなど、学習の進み具合に合わせて使い分けられます。
毎日少しずつ、音声も積極的に使いながら単語や熟語を身につけたい人と相性のよい一冊です。

ポリグロッツ池田が2冊を徹底レビュー!

基本評価項目

銀フレキクタンTOEIC
始めやすさ★★★★★★★★★
続けやすさ★★★★★★
周回しやすさ★★★★★
ボリューム★★★★★★★★
音声/付属コンテンツ★★★★★★★
コスパ★★★★★★★

『TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ』は、1日100語を繰り返す学習法は少しハードですが、苦手な単語をチェックして復習する流れがあり、慣れれば周回しやすい構成です。メインの語彙学習に加え、TOEIC頻出の用語やビジネス表現がまとまった「Supplement」というコーナーでは「すぐに使える」単語を集中的に学べます。このボリュームで979円という価格はとても魅力的です。一方、音声は補助的な位置づけのため、付属コンテンツの評価は控えめに落ち着きました。

『キクタンTOEICL&Rテスト SCORE 600』は1日16語と学習量が明確で、短時間で取り組めるため、始めやすさと続けやすさが高評価に。また音声はまさに「キクタン」の「肝」とも言えるコンテンツで、とても充実しています。一方、何周も繰り返すための導線はやや弱く、価格も銀フレより高めなため、周回しやすさとコスパは★★に。

TOEIC600点を目指す2冊の評価項目

続いて、この2冊独自の評価項目を見ていきます。

①:TOEIC600点への直結度

銀フレ:★★★★★
キクタン:★★★

ポリグロッツ池田

『銀フレ』は、SupplementにTOEICでよく見る用語集やビジネス寄りの表現がまとまっていて、実際に試験本番に役立つと感じるページが多くありました!
『キクタン』も600点向けの語彙はしっかり押さえていますが、例文の難易度は600点を想定するとやや高く、内容もTOEICだけに寄せすぎていない印象でした。

②:単語を覚えさせる仕掛け

銀フレ:★★★★
キクタン:★★★★

ポリグロッツ池田

『銀フレ』は、短いフレーズと左ページの頻出表現の穴埋めで、定着度をかなりはかりやすい構成に。
『キクタン』は、品詞ごとの整理や独自の音声など覚え方の選択肢が多く、方向性は違いますが、どちらもかなり工夫されていると感じました。

③:手に取りたくなる度

銀フレ:★★
キクタン:★★★★★

ポリグロッツ池田

『銀フレ』のレイアウトはかなりシンプルで、「THE・単語帳」という印象。仕掛けが多すぎない本が好きな人におすすめです。一方『キクタン』は1日16語という区切りがはっきりしていて「やるべきこと」がわかりやすく、音楽に乗せて学ぶ仕掛けもあるので、「楽しく学べそう」という気持ちにさせてくれます。

『銀フレ』を使ってみて

ポリグロッツ池田

『銀フレ』は、左ページが穴埋め問題になっているので、覚えた単語をその場で確認でき、うろ覚えの単語を見つけやすい点が使いやすいと感じました。フレーズも比較的短く、紙面だけでテンポよく学習を進められるのも特徴です。
Supplementまで取り組めば600点の先までカバーできるので、自分のペースでコツコツ学習したい人には向いていると思います。
一方で、単語が品詞ごとに整理されていなかったり、フレーズがセンテンスになっていないものもあるため、文の構造まで意識して学びたい人には少し好みが分かれそうです。
『キクタン』と比べると、音声やイラストなどの仕掛けよりも文字ベースの学習が中心なので、これまで学校でしてきたような単語学習に慣れている人には取り組みやすい一冊だと感じました。

『キクタン』を使ってみて

ポリグロッツ池田

『キクタン』は、品詞ごとに単語が整理されているので、単語の意味だけでなく文の中での使われ方まで意識しながら学べる点がよかったです。先生風のイラストやコメントも入っていて、単語帳らしい堅さが少なく、手に取りやすい印象でした。学習方法もひとつに固定されておらず、その日の時間や目的に合わせて進め方を変えられるので、毎日無理なく続けやすいと思います。
一方で、『銀フレ』と比べると例文はやや難しく、600点を目指す段階では少し負荷を感じる部分もありました。また、毎日の学習範囲はわかりやすいものの、何周も繰り返すための導線は少し弱めです。
いちばん大きな特徴はやはり音声で、チャンツや4つのアクセントを使いながら学べるため、単語を覚えるだけでなくリスニングも一緒に鍛えたい人には特に向いている教材だと感じました。

まとめ

いかがでしたか?
今回のレビューでは、『銀フレ』と『キクタン』で、同じTOEIC600点向けでも学習の方向性がかなり異なることが見えてきました。

『銀フレ』は、TOEICでよく出る語彙を効率よく押さえ、まずは目標スコアに向けて集中して学びたい人に向いた一冊。短いフレーズや確認問題を使いながら、文字ベースでテンポよく進めたい人とも相性がよさそうです。

一方の『キクタン』は、単語を覚えるだけでなく、音声を使いながらリスニング力まで一緒に鍛えられるのが強み。TOEIC対策にとどまらず、実際の会話や仕事で英語を使うことまで見据えて学びたい人には、こちらが向いていそうです。

銀フレ:TOEIC600点に一直線。効率よくスコアアップを目指したい人に

キクタン:TOEIC+使える英語力。リスニングまで含めて底上げしたい人に

池田も、テスト対策を中心に勉強していた学生時代なら『銀フレ』、仕事で英語を使うことも意識する現在なら『キクタン』を選ぶそうです!
次回も、池田が自腹で人気教材2冊を購入し、それぞれの特徴をじっくり比べていきます。次はどんな2冊が登場するのか、お楽しみに!