スクリーンタイムをめぐる世界の議論 脅威か、杞憂か
翻訳：POLYGLOTS magazine編集部
世界中の多くの人々が、子どもたちが（スマホやPCの）スクリーンを見て過ごす時間の長さについて心配しています。政府、保護者、そして教師たちはこう尋ねています。「この新しい恐れは本物なのか？それとも過去の恐れと同じなのか？」こうした種類の恐れは新しいものではありません。1800年代、人々は電灯が失明や睡眠障害を引き起こすのではないかと恐れていました。1400年代には、印刷機はすべての人に歓迎されたわけではありませんでした。それが嘘を広め、人々を怠け者にすると考える人もいました。しかしその後、印刷機はより多くの人々が読み、学ぶことを助けました。
この例はまだあります。過去に人々は、コーヒー、映画、テレビ、電話、さらにはロックンロール音楽についてまでも恐れていました。これらは当初、親たちを心配させましたが、後に当たり前のものとなりました。
今日、インターネットは生活の重要な一部となっています。それは私たちに良い情報も与えますが、誤った情報や虚偽の情報も与えます。では、なぜ今、一部の政府が行動を起こし始めているのでしょうか？オーストラリアとフランスが何をしているのか見てみましょう。
オーストラリアの例
当初、オーストラリア政府は、子どもがどのくらいスクリーンを使うべきかについて、家庭に助言を与えていました。しかし2024年の11月、「オンライン安全改正（ソーシャルメディア最低年齢）法2024」という法律を可決しました。この法律は、16歳未満の子どもがTikTok、Instagram、Facebook、Snapchat、X（Twitter）、そしてYouTubeにアカウントを作ることを禁止するもので、2025年12月10日に施行されます。規則に従わないプラットフォームは、最大5,000万豪ドルの罰金を科される可能性があります。ただし、メッセージ、ゲーム、教育、または健康に焦点を当てたサービスには例外があります。
この法律を支持する人もいます。2024年11月、フォーブス誌はこう書きました。
「この法案は、責任を若者やその親にではなく、ソーシャルメディア企業に負わせる（中略）ソーシャルメディア企業には社会的責任があることを明確にしている。」
しかし、すべての人が賛成しているわけではありません。英国のガーディアン紙はこう述べました。
「16歳未満を一律に禁止することは、テック企業の失敗のせいで子どもたちを罰することになります。」
フランスの例
2024年1月、エマニュエル・マクロン大統領は、子どもとスクリーン使用について調査する10人の委員会を設立しました。それは神経科医セルバンヌ・ムトンと精神科医アミーヌ・ベニャミナが率いました。このグループには、心理学、健康、法律、インターネットの専門家が含まれていました。
3か月間で、彼らはおよそ150人の若者にインタビューを行い、100回の専門家会議を開き、健康、教育、デジタルツールに関する多くの報告書を調べました。
フランスの有力紙ル・モンドはこう述べました。
「2024年4月30日に提出された報告書には、特に、3歳未満の子どもに対するスクリーンの禁止、13歳未満の子どもに対するスマートフォンとインターネットアクセスの制限、そして託児所や幼稚園でのスクリーン使用禁止を提案する、29の勧告が含まれています。」
この委員会が設立される前でさえ、一部の学校や地域では「スクリーンなしの10日間チャレンジ」と呼ばれるような取り組みがすでに試みられていました。ある生徒はこう話しました。「今はもっと本を読み、外に出るようになりました。」
委員会のリーダー、セルバンヌ・ムトンはこう述べました。
「デジタルツールを適切な位置に戻しましょう。少なくとも6歳までは、子どもの成長にスクリーンは必要ありません。子どもには交流が必要であり、屋外で過ごし、仲間と遊ぶことが必要です。 （中略） スクリーンがこれらの大切なニーズを押しつぶすことを、許してはいけません。」
あなたはどうですか？
多くの国々がスクリーンタイムについて心配しています。あなた自身のスクリーンの使い方は、楽しさの源だと思いますか？それとも心配すべきことだと思いますか？
emoji_objects本記事のイチオシ！フレーズ
全面的な禁止
blanket には本来「毛布」という意味がありますが、比喩的に使われると「全体を覆う」「例外なく及ぶ」というニュアンスになります。したがって a blanket ban は「ある範囲に関して、細かい区別をせず一律に禁止すること」を指します。
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