企業が「環境にやさしいふり」をする?グリーンウォッシングとは何か

英文記事執筆:Everett Ofori / 翻訳:POLYGLOTS magazine編集部

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今日、世界はとても速いペースで変化しています。その変化についていくためには、人々は自分のまわりで何が起きているのかだけでなく、日常生活のなかで新しく現れる言葉や用語も理解する必要があります。
近年よく使われるようになった言葉の一つが「グリーンウォッシング」です。
グリーンウォッシングとは、企業が環境に良いことをしているふりをすることです。

「グリーン(green)」とは、木を植えたり、化石燃料をあまり使わなかったりといった、自然にとって良いことを意味します。多くの人々は、環境にやさしい製品を買いたいと望んでいます。中には、環境を助けていることを示すために、特別なマークまでつけた製品もあります。

しかし、すべての企業が本当に地球のことを気にかけているわけではありません。中には、実際には何の変化も起こさずに、よく見せようとする企業もあります。彼らは嘘をついたり、小さな変化を大きく見せたりすることもあります。このような行為を グリーンウォッシング と呼びます。

ときには、企業が最初は良い意図をもって始めることもあります。しかし、それぞれの企業は利益を維持するために、市場の変化や期待に合わせて適応しなければなりませんでした。したがって、グリーンウォッシングは、企業が機関、政府機関、または顧客といったステークホルダーの要求を満たせないときに現れることがあります。企業自身は悪いと思っていないかもしれませんが、消費者をだますことは許されがたいのです。

グリーンウォッシングのしくみ

国連は、企業がどのようにグリーンウォッシングを行うかについて例を挙げています。
以下は、よくある4つの方法です。

1. 虚偽の約束

企業が「汚染を減らす」「水を守る」と言っても、実際には本当の計画を持たない場合があります。
たとえば、ある工場が「有害な化学物質を減らしている」と宣伝しても、何年も同じ汚染物質を川に流し続けていることがあります。
このような約束は、人々に「環境を守っている」と信じさせますが、実際には何も変わっていません。

2. あいまいな言葉

企業によっては、「ナチュラル」「サステナブル」といったあいまいな言葉を使い、何を意味するのか説明しないことがあります。
より明確な言い方なら、たとえば「50%リサイクル素材を使用」や「二酸化炭素排出を20%削減」といった表現になります。

3. 誤解を招くラベル

「エコフレンドリー」「グリーン」といった言葉には、使うための明確なルールがないため、意味がない場合もあります。
たとえば、あるプラスチックボトルが「グリーン」と書かれていても、実際にはリサイクルされていなかったり、汚染を減らしていなかったりすることがあるかもしれません。

4. 小さな改善の誇張

企業が「包装に使うプラスチックを5%減らした」と言って、それを大きな成果のように見せることがあります。その変化はとても小さく、環境に大きな違いをもたらすものではありません。こうした手口のせいで、消費者はどの製品が本当に地球にやさしいのかを判断しにくくなっています。

「グリーンウォッシング」という言葉の由来

「グリーンウォッシング」という言葉が使われるようになったのは1980年代のことです。
これは2つの語からできています。ひとつは「環境に良い」という意味の green、もうひとつは「悪いものを良く見せる」という意味の whitewashing です。環境活動家ジェイ・ウェスターベルドが、環境にやさしいと主張しながら実際には環境を助けていなかったホテルを説明するために、この言葉を初めて使いました。

現在では、ほかの「〜ウォッシング」という言葉もあります。
たとえば sportswashing(スポーツウォッシング)は、国や団体がスポーツイベントを開催して自分たちのイメージを良く見せようとすることです。人権が十分に守られていない国が、自分たちの悪い行いを忘れさせるためにこれを行うことがあります。

あなたにできること

大企業は、一般の人が立ち向かうにはあまりにも強大に見えるかもしれません。しかし、注意深い消費者は社会を変える力を持っています。本当に環境を大切にしている企業の製品を探しましょう。ラベルが明確で正直かどうかを確かめましょう。約束だけでなく、実際に行動しているブランドを応援しましょう。小さな選択のひとつひとつが、地球を守る助けになります。

そしてこの地球は、世界を支配しているように見える大企業のものと同じくらい、あなたのものでもあるのです。

emoji_objects本記事のイチオシ!フレーズ

come into use

「使われるようになる」「使用され始める」

ポイント

物・技術・制度・言葉などが実際に使われ始める段階に入ることを表します。導入のタイミングや歴史的変化を説明する際に効果的で、いつ・どのように普及したかを表現できます。The word “greenwashing” came into use in the 1980s. 「“グリーンウォッシング”という言葉は1980年代に使われるようになった。」

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