やる気を引き出すフィードバックの与え方

英文記事執筆:Everett Ofori / 翻訳:POLYGLOTS magazine編集部
『人を動かす(How to Win Friends and Influence People)』の著者として知られるデール・カーネギーは、かつてこう言いました。
「批判するな、非難するな、不平を言うな。」
彼は長年にわたって人々を観察した末に、この考えにたどり着きました。たとえ明らかに自分が間違っていたとしても、責められることを好む人はいません。批判はしばしば、人を惨めに感じさせたり、怒りや防御的な気持ちを生み出したりします。
しかし、だからといって、間違いを無視してよいという意味ではありません。誰かがよくない行動をしたり、誤った選択をしたりした場合には、その人を導くことが大切です。重要なのは、相手の気持ちを傷つけることなく改善につながる形でフィードバックを与えることです。フィードバックは、人を拒絶されたと感じさせるのではなく、尊重されていると感じさせるものであるべきです。
人に役立つフィードバックを与える方法としてよく知られているものに、サンドイッチ・テクニック(Sandwich Technique)があります。この方法は三つの段階から成り立っています:Praise(称賛)、Growth(成長)、Encouragement(励まし)です。
Praise(称賛)
もし長い間いっしょに働いてきた人が今もチームの一員であるなら、それはその人が良い仕事をしている証拠でもあります。評価の場では、まずその人の貢献について前向きなことを伝えるところから始めましょう。
たとえば、次のように言うことができます。
「あなたが新しいアイデアでチームを助けてくれているところが、とても良いと思います。」
このような言葉は相手を前向きな気持ちにし、その後のフィードバックにも耳を傾けやすくします。
Growth(成長)
完璧な人はいません。誰にでも改善できる点があります。しかし、ミスを「問題」や「失敗」と呼ぶと、人は落ち込んでしまうことが多いものです。そこで、成長や学びという視点で話すほうがよいでしょう。
たとえば 「これは間違っている」 と言う代わりに、「次はこの方法を試してみてもいいかもしれません。もしかしたら、もっとよくうまくいくかもしれません。」と言うことができます。これは人そのものではなく行動に焦点を当てる言い方であり、改善の方法を見つける助けになります。
質問をすることも効果的です。「このレポートをさらに良くするには、どうすればいいと思いますか。」などと言ってみると良いでしょう。質問は相手に考える機会を与え、参加しているという感覚を生みます。フィードバックが批判ではなく、建設的な対話のように感じられるとき、人はそれを受け入れやすくなります。
Encouragement(励まし)
人は、誰かに信じてもらえるとより良い力を発揮します。ドイツの文豪ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテは、こう言いました。「人を本来あるべき姿のように扱えば、その人はやがて自分がなり得る姿へと成長する。」
これは、人の能力を信じて接することの大切さを示しています。間違いを指摘して自信を下げるのではなく、「あなたならきっとできます。続けていけば、きっと上達しますよ。」といった言葉をかけるほうがよいでしょう。励ましは、人が自分の可能性を最大限に発揮するための力になります。
成長の燃料としてのフィードバック
フィードバックを与えること、そして受け取ることは、一つのスキルです。ときにはフィードバックがつらく感じられることもあるでしょう。しかし、私たちはそこから学ぶことを選択できます。フィードバックは成長の燃料になり得ます。それを使って自分を改善し、やがて人々がその能力を信頼し、仕事の優秀さを認める段階へと進むことができます。
フィードバックは、人を責めるためのものではありません。人が成長するのを助けるためのものです。サンドイッチ・テクニック(称賛・成長・励まし)を使えば、敬意を払い、支えられていると感じさせながら、人に改善を促すことができます。そうすれば、フィードバックは学びと自信、そして成功のための道具になるのです。
emoji_objects本記事のイチオシ!フレーズ
「〜されたと感じる」「〜だと感じる」
「feel + 過去分詞」は、周囲の人や状況によって自分がどのように扱われているかを表す形です。過去分詞は「〜される」という受け身の意味を含み、自分がその状態にあると感じていることを示します。
I feel respected in this workplace.
「私はこの職場で尊重されていると感じます。」
menu_book参考文献
- Goethe, J. W. (2024). Wilhelm Meister’s Apprenticeship. Princeton University Press.
- Carnegie, D. (1936). How to Win Friends and Influence People. Simon & Schuster.




