気まずさがクセになる?『Chicken Shop Date』

英文記事執筆:Sean Furniss / 翻訳:POLYGLOTS magazine編集部

この記事を英語学習に使うレシピーアプリが立ち上がります

デートを仕掛けるコメディアン

従来の有名人インタビューは、決まりきった台本に沿って進んでいるように感じられることがよくあります。ゲストは最新作を宣伝するために、フォーマルな質問に対して、あらかじめ用意した答えを返します。

YouTube番組『Chicken Shop Date』は、その形式をひっくり返し、ファンが本当に見たいゲストの素の一面を引き出しています。

現在、この番組は1エピソードあたり数百万回もの再生数を記録しています。しかし、その始まりはずっと小さなものでした。もともとは、アメリア・ディモルデンバーグが地元の雑誌に連載していたコラムだったのです。

ディモルデンバーグは、インタビューをデートに見立て、「普通ならデートでは行かないような場所」を舞台にすることを思いつきました。世界的な有名人と、プラスチック製のテイクアウト用トレーというミスマッチは、質問が始まる前から、この番組をほかのインタビューとは違うものにしていました。

最初の動画エピソードは2014年3月に公開され、その後、この番組は今日のような文化現象ともいえる存在へと成長しました。

なぜこの番組はこれほど人気なのか

『Chicken Shop Date』のアイデアは、驚くほどシンプルです。

アメリアは有名人を街のチキンショップに招き、二人が初デートをしているふりをします。そして、ゲストをリラックスさせようとするのではなく、むしろその逆をすることがよくあります。

この番組の笑いの鍵は、この設定が生み出す緊張感にあります。インタビューをデートとして演出することで、通常の着席インタビューにはない、「深刻ではないけれど気まずい空気」が生まれます。

そして、その空気は、ディモルデンバーグが感情をあまり表に出さないキャラクター(deadpan*)を大げさに演じ、ぎこちないデート相手役を務めることで、さらに強まります。

このキャラクターのおかげで、ゲストは警戒心を解きやすくなり、用意してきた答えに頼るのではなく、彼女のコメディスタイルに自然に乗ってやり取りをするようになります。

こうした要素が組み合わさることで、この番組ならではのユーモアが生まれています。

多くのアメリカのインタビュー番組が洗練されたスタイルを目指すのに対し、『Chicken Shop Date』は、皮肉っぽく自虐的なイギリスらしいユーモアを前面に押し出しています。また、編集でも、沈黙や気まずさを気にせず、そのまま残しています。

ゲストが照れながら恋愛めいた質問に答えたり、少し変わったコメントにぎこちなく反応したりすることで、切り抜き動画にしやすい自然な名場面が次々と生まれます。そして、それらがSNSで広まり、さらに多くの視聴者を引きつけています。

豪華なゲスト陣

これまでに、この番組には世界的なスターたちが数多く出演してきました。

ゲストには、ビリー・アイリッシュやセントラル・シーといった歌手、アンドリュー・ガーフィールドなどの俳優のほか、多くの有名アスリート、YouTuber、インターネットで活躍するクリエイターたちがいます。

彼らほどの有名人であっても、ディモルデンバーグの独特なインタビューのスタイルに戸惑ったり、緊張した様子を見せたりすることが少なくありません。

こうした予想外の状況で、有名人たちがどのような反応を見せるのか。それを見ることも、この番組がこれほど面白い理由の一つです。

地元雑誌の小さなコラムから世界的な人気番組へと成長した『Chicken Shop Date』は、有名人インタビューに対する多くの人の考え方を変えました。

アメリア・ディモルデンバーグは、本当に印象に残るインタビューは、型を破ったときにこそ生まれることを証明したのです。

*「Deadpan(デッドパン)」:
感情を一切出さず、わざと真顔や無表情で振る舞う態度や表現のこと。特に、おどけたジョークや皮肉を真面目くさった顔で淡々と言う手法は「デッドパン・ユーモア」として知られる。

emoji_objects本記事のイチオシ!フレーズ

fumble with~

「〜をもたもた扱う」「〜をうまく扱えず手間取る」

ポイント

「fumble with」は、手や指が思うように動かず、物をうまく扱えない様子を表す表現です。鍵や財布、スマートフォンなどを慌てて探したり操作したりする場面でよく使われます。

例文

She fumbled with her keys before unlocking the door.
「彼女は鍵をもたもたと扱いながら、ようやくドアの鍵を開けた。」

emoji_objects本記事のイチオシ!フレーズ

flirty

「いちゃついた」「思わせぶりな」「恋愛を意識した」

ポイント

「flirty」は、相手に好意をほのめかしたり、軽く口説いたりするような、恋愛を意識した態度や雰囲気を表す形容詞です。必ずしも本気の恋愛感情を意味するわけではなく、軽い冗談や遊び心のあるやり取りにもよく使われます。

例文

They exchanged flirty messages all evening.
「二人は一晩中、思わせぶりなメッセージを送り合っていた。」

このフレーズを詳しく学ぶ!レシピーアプリが立ち上がります

menu_book参考文献