思考の境界を広げよう

もしあなたの目標が、エンジニアや弁護士、医師になることであれば、学ぶ道筋の大部分はすでに決まっています。必ず履修しなければならない科目があり、その中にいくつか自分で選べる科目があります。必要な試験に合格し、やがて専門職に就きます。もちろん、その仕事で高い能力を保ち続けたいのであれば、その後も勉強を続け、経験から学んでいくことになります。
しかし、自分の職業に必要なことだけを学ぶことには危険もあります。ひとつのことには非常に詳しくなっても、自分を取り巻く世界についてはほとんど知らない、ということになりかねません。
どれくらい「興味深い人物」になりたい?
自分の仕事に関することしか知らなければ、その仕事に詳しくない人とどれだけ幅広い会話ができるでしょうか。そもそも、「視野の狭い人になりたい」と思う人はいないでしょう。
そう考えると、普段なら勉強しないような分野にも触れてみてはどうでしょう。目的はただ、自分の世界を少し広げることです。
知らないことを恐れない
誰かがアフリカを「国」と呼んでいるのを聞くと、たいていは少しおかしく感じるものです。しかし、このような間違いをする人は、自分の経験の外にある世界について、あまり多くを知らないことを示している場合もあります。アフリカが大陸であるという事実は、難しい知識ではありません。ある程度教育を受けた人であれば、知っていることを期待されるような内容です。
もちろん、誰にでも知識が抜けている部分はあります。大切なのは、それに気づき、埋めようとすることです。自分には知らないことがたくさんあると気づくことを、恐れる必要はありません。
いつもの世界の外にも目を向ける
ファッションやエンターテインメントの記事ばかり読んでいる人を想像してみてください。そうした分野が大好きなのかもしれません。では、ときどき科学や歴史、ビジネスについても読んでみたら、どんな発見があるでしょうか。少なくとも、新しい言葉や考え方に触れることができます。それまで考えたことのなかった見方に出会うこともあるでしょう。
同じように、芸術や音楽が好きな人が、生物学や化学、物理学にも関心を持ってみたら、何が起こるでしょう。専門家になる必要はありません。そうした分野を深く学ぶ必要さえありません。ただ関心を持つだけでも、自分の世界を大きく広げることができます。
自分の世界を広げる
便利な家電がたくさんある家に住んでいるのに、そのほとんどの使い方を知らないところを想像してみてください。それでも幸せに暮らすことはできるでしょう。でも、それらの道具をすべて使いこなせたら、生活がどれほどもっと面白くなるか考えてみてください。
同じように、私たちはさまざまな種類の知識に満ちた世界で暮らしています。自分が職業として選んだ分野を身につけるために努力することは、もちろん大切です。しかし、それ以外の分野に触れる時間もつくるべきでしょう。
“vocation” は、生活のためにする仕事、つまり本業を指します。一方、“avocation” は、本業とは別に楽しむ趣味や活動のことです。仕事とは関係のない分野を学ぶことを、ひとつの趣味として続けてみれば、知識が広がるだけでなく、人としての幅も広がるのかもしれません。
すべてを知る必要はありません。でも、さまざまなことを少しずつでも知ろうとする姿勢は大切なのです。
emoji_objects本記事のイチオシ!フレーズ
「趣味」「本業以外の活動」「副業」
「avocation」は、本業とは別に、趣味や個人的な関心から取り組む活動を指す名詞です。「vocation(職業・天職)」と対比して使われることがあり、収入を得るための仕事というよりも、自分の興味や情熱に基づいて続ける活動を表します。
Writing is her profession, but painting is her avocation.
「彼女の本業は執筆ですが、絵を描くことは趣味として続けています。」




