「マウントを取られる」って英語で言うと?

相手にマウントを取られて、なんだかモヤっとした!という経験は、誰にでもあるかもしれません。

SNSでも、会話の中でも、あからさまではないけれど「ちょっと上から目線だな」と感じるやり取りはよくありますよね。

今回は、「マウントを取る」「マウントを取られる」といったニュアンスを英語でどう表現できるか、文脈に合わせた使い方と一緒にご紹介します。

「マウントを取る」は英語でどう表現する?

one-up someone:〜より優位に立とうとする

 比較して自分のほうが上だと示したい態度を表す表現です。

“one-up” は「1つ上を行く」という意味の表現で、他人よりも自分のほうがすごい・上だと示そうとする態度に対して使われます。

元々はカジュアルな会話の中で生まれた表現で、やや批判的なニュアンスを含んでいます。

たとえば、話している相手があなたの話にかぶせて、自分の話を“さらにすごく”見せようとしたときは、

He always tries to one-up me in every conversation. 

(彼はいつも会話の中で私より上に立とうとしてくる。)

I told her I ran 5K yesterday, and she immediately said she did 10K this morning. Classic one-up.

 (昨日5キロ走ったって言ったら、今朝10キロ走ったって返されたよ。典型的なマウント。)

It’s not a competition, no need to one-up everything I say.

 (競争じゃないんだから、何でも張り合わなくていいよ。)

「マウント」に似た英語表現

同様の意味を持つ表現は、他にもいくつかあります。

ここでは、SNSやカジュアルな会話でもよく使われる言い方を紹介します。

 

● humblebrag:謙遜風の自慢(謙遜+マウント)

“humblebrag” は “humble(謙虚な)” と “brag(自慢)” を組み合わせた造語で、

一見控えめな言い方をしているようで、実はしっかり自慢しているときによく使われます。

とくにSNSではこのタイプの投稿が目立つことも。

Her post was such a humblebrag: “So exhausted from my private jet flight…”

 (彼女の投稿、完璧に謙遜風自慢だったよ。「プライベートジェットで疲れちゃった〜」って…)

Not to humblebrag, but I just got invited to a TED talk as a speaker.

 (自慢するつもりはないけど、TEDトークにスピーカーとして招待されちゃって。)

このように、「一応へりくだってる風だけど、伝えたいのは自慢」という文脈でよく使われます。

皮肉やツッコミとして “Nice humblebrag.” と言うこともあります。

 

● flex (on someone):見せびらかす/ひけらかす

“flex” は本来「筋肉を見せる」「力こぶを作る」などの意味でしたが、

そこから転じて何か(お金・ステータス・物)を見せつけるように誇示する行為を指すようになりました。

特にSNSでは、ブランド品・旅行・高級ディナーなどの投稿とセットでよく使われます。

He’s always flexing his new gear on Instagram.

 (彼、インスタでいつも新しいガジェットを自慢してるよね。)

No need to flex on us with your fancy office view.

 (その豪華なオフィスの景色、見せびらかさなくていいって。)

やや茶化しや皮肉っぽく使われることが多く、相手との距離感によっては軽い冗談にも使える表現です。

マウントにうまく返すには?英語でのスマートな返し方

あからさまな自慢や張り合いを感じたとき、感情的にならずにユーモアや距離感で返すのが大人の対応。

ここでは、英語で“うまくいなす” “軽くツッコむ”ような返し方をいくつか紹介します。

 

Good for you!

 (それはよかったね!)

 → やや棒読み気味に使うと、“はいはい自慢ね”というニュアンスに。

Wow, I didn’t realize it was a competition.

 (これって勝負だったっけ?)

 → 張り合ってくる相手に対して、皮肉まじりで距離を置ける一言。

Let’s not turn this into a flex contest.

 (マウント合戦にはしたくないなあ。)

 → 会話の雰囲気を壊さずに軌道修正したいときに。

I’ll stay in my humble little world.

 (私はこじんまりと謙虚に生きていきますね。)

 → 相手のマウントを受け流しつつ、自分の立ち位置をキープ。

You win!

 (あなたの勝ちでいいよ〜)

 → さらっと引いて場を収めるときに使える便利なフレーズ。

まとめ

「マウントを取る」「マウントを取られる」といった感覚は、日本語独特の言い回しにも見えますが、英語でも状況に応じた言い方があります。

ややカジュアルな表現が多いですが、SNSや日常会話ではよく登場するものばかりです。

それぞれの文脈とセットで覚えて、違和感なく使いこなしましょう!