「念のため共有です」って英語で言うと?
ビジネスで使える自然な英語
日本語でよく使われる「念のため共有です」「ご参考までに」といった言い回し。
英語ではどのように表現すれば、自然で感じのいい伝え方になるのでしょうか?
今回は、ビジネスシーンで使いやすい定番表現を中心に、意味やニュアンスの違い、便利な例文とあわせてご紹介します。
Just FYI.(念のため共有です)
もっとも定番で手軽な表現がこの “Just FYI” です。
FYI は “For Your Information” の略で、「ご参考までに」「情報としてどうぞ」といった意味になります。
例文:
・Just FYI, the meeting has been rescheduled.
念のためですが、会議は再スケジュールされました。
・FYI: We’ve updated the project timeline.
ご参考までに:プロジェクトのスケジュールを更新しました。
頭に “Just” をつけるとやや柔らかくなり、「気にするほどではないけど、知っておくと良いかも」といった軽いトーンになります。チャットやメールでも一般的で、使いやすい表現です。
For your reference(ご参考までに)
少し丁寧に伝えたいときは、“For your reference” が適しています。
こちらは 文書・資料などの情報を添える際に使われることが多く、フォーマルな印象を与えます。
例文:
・Please find the attached document for your reference.
ご参考までに、添付の資料をご確認ください。
・For your reference, here’s a summary of the discussion.
ご参考までに、議論の要約を添付します。
→ メールの文中や添え書き的に使われることが多く、ビジネスメールでよく見かける表現です。
“FYI” はカジュアルな言い回しのため、すでに親しい関係やカジュアルなやり取りが定着している場合には適していますが、相手が目上の人や社外の取引先など、丁寧な対応が求められる場合には、“For your reference” を使うようにすると良いでしょう。
その他の確認/共有フレーズ
また、共有というよりも「念のため記録に残しておきます」「確認のために送っておきます」といったニュアンスの場合は、以下のような表現がよく使われます。
・Just to keep you in the loop.
念のため情報共有です。(状況を共有しておきます)
“keep someone in the loop” は、相手を関係者・情報共有の輪に入れておくというイディオムです。ここでの “loop(輪)” は、関係者のグループや、やりとりが続いている情報の流れを指しています。プロジェクトやチーム業務などで、相手を置き去りにしないための自然な言い回しとしてよく使われます。
・Thanks for keeping me in the loop.
情報共有してくれてありがとう。
・Can you keep me in the loop on this issue?
この件については、進捗を随時教えてもらえると助かります。
・Just in case you need this.
念のため、お役に立つかもしれないので。
→ この表現は、「必要になるかもしれないから一応渡しておきますね」といったやや控えめで気配りのある言い回しです。
“just in case” はもともと「万が一に備えて」「〜かもしれないから」の意味で、ビジネスでもカジュアルでも使える便利なフレーズです。
・Just in case, I’m sharing the old version too.
念のため、古いバージョンも共有しておきます。
・I saved a backup file, just in case.
念のため、バックアップファイルを保存しておきました。
・Adding this here so it’s on everyone’s radar.
みなさんに共有だけしておきますね。
→ この表現は、「全員が知っておくべきこととして、ここに一応出しておきますね」という軽い情報共有のひと言です。“on everyone’s radar” は、「全員のレーダーに映るようにする」=「頭の片隅に置いておいてほしい」「注意喚起しておく」といったニュアンスです。「今すぐ対応しなくてもいいけど、知っておいてね」くらいのトーンで話題を投げかけるときによく使われます。
・Adding this here so it’s on your radar for next week.
来週に向けて一応伝えておきますね。
・No action needed now — just adding it here so it’s on everyone’s radar.
今すぐ対応不要ですが、念のため皆さんに共有します。
まとめ
ビジネス英語では、伝える内容そのものだけでなく、どんなトーンでどう伝えるかもとても大切です。
英語でも文脈に合った自然な表現を覚えておくことで、一歩先のコミュニケーションを習得しましょう。
ビジネス英語のフレーズを学びたい方におすすめの記事はこちら:https://mag.polyglots.net/1703/person_in_charge