日本の生徒はなぜ数学が得意なのか:成功から学ぶヒント

英文記事執筆:Everett Ofori / 翻訳:POLYGLOTS magazine編集部

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世界中で、数学は多くの生徒を緊張させる教科の一つです。自分には数学の「遺伝子」がなく、どれだけ頑張っても決して「分かる」ようにはならないと考える人がいます。同時に、ある人々や集団全体が、生まれつき数学が得意なのだと思うこともあるかもしれません。

Nippon.comによれば、「日本の生徒は2023年の国際数学・理科教育動向調査で好成績を収めた(中略)数学と理科ではシンガポールがランキングの首位に立ち(中略)台湾と韓国も高位に食い込んだ」

とのことです。これらの生徒が生まれつき賢いと考える代わりに、その成功の理由をいくつか見てみることができます。

練習すること

自分は数学が苦手だと言う多くの生徒は、数学の練習にほとんど時間を割いていません。数学の教科書をほとんど開かず、低い点数を取って驚きます。成績の良い生徒は、たいてい毎日数学を勉強し、宿題をていねいに終えます。

日本では、10歳という若さで公文式のような学習塾に通う子どもがよくいます。子どもたちは静かに座り、数学の練習問題のページを次々にこなします。先生は、子どもが本当に行き詰まったときにだけ助けます。こうした練習は、自信と技能を育てます。

数学はまた段階的に積み上がっていきます。いくつかの基礎を取りこぼすと、「自分は頭がよくない」と感じるかもしれません。しかし良い先生がいれば、抜けている段階を学ぶことができます。数学の弱さは、大抵の場合、能力の欠如ではなく、単に知識の不足にすぎません。

メンターからの助けを得ること

同様の課題に直面したことのある人から指導を受けることは、大きな違いを生みます。インドのパトワ・トリという村がこのことをはっきりと示しています。1992年以前には、その村から有名なインド工科大学群(IIT)に進学した人は一人もいませんでした。しかしそれに、若者のジーテンドラ・クマールが成功しました。彼の成功は、村の他の人々が一生懸命勉強し高い目標を掲げることを鼓舞しました。

それ以来、パトワ・トリは「IITの村」として知られるようになりました。IITや他の多くの工科系学校に進学した学生を300人以上輩出してきました。この成功は、特別な遺伝子によるものではありません。学生たちは村で無償のコーチングセンターを始め、年少の生徒に指導、練習、支援を与えました。勤勉、指導、そして機会が相まって、これが可能になったのです。

諦めないこと

日本では、生徒同士が困難に直面したとき、しばしば互いに励まし合います。彼らは「頑張りましょう」と言います。これは「続けよう」「諦めないでいよう」という意味です。数学での悪い点数は永遠の烙印ではありません。それは弱い部分を見つけ、次回はもっと努力するためのサインです。

この考えは、アンジェラ・ダックワースが『GRIT やり抜く力(原題:Grit: The Power of Passion and Perseverance)』で書いていることに似ています。

“At various points, in big ways and small, we get knocked down. If we stay down, grit loses. If we get up, grit wins.”

(さまざまな局面で、大きくも小さくも、私たちは打ちのめされる。倒れたままでいれば、やり抜く力は負ける。立ち上がれば、やり抜く力は勝つ。)

粘り強さ、すなわちグリットは、日本に限らず、どこにいても成功の重要な一部なのです。

すべての生徒への教訓

どこに住んでいようと、これらの例から学ぶことができます。基礎を理解し、定期的に練習し、間違いを学びの一部として受け入れれば、数学は上達します。シンガポール、日本、そして他の上位国の生徒たちは、成功が魔法ではないことを示しています。それは、着実な努力、練習、そして自分は上達できると信じることから来るのです。

教訓は明らかです:技能は努力から生まれます。努力に「諦めないこと」が組み合わさるとき、それは想像より遠くまであなたを連れて行ってくれます。

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動けない・行きづまった・抜け出せない

ポイント

The teacher helps only when the child is really stuck. → 「先生は、その子が本当に行きづまったときだけ手助けする。」

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