後退する日本の同性婚訴訟

英文記事執筆:まりか / 翻訳:POLYGLOTS magazine編集部 / 写真:shutterstock

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日本における同性婚の後退

日本で過去6年間にわたり、同性カップルにとって多くの歴史的勝利があったにもかかわらず、東京高等裁判所は同性婚を認めない現行制度を合憲と判断し、提起された6件の訴訟の最後の1件に、極めて厳しい結論を下しました。

アムネスティ・インターナショナルはこの判決を、「同性婚に関する有害な後退」と呼びました。同団体の東アジア担当調査員であるボラム・ジャン氏は、この裁判所の判断は、「同性婚という概念、そして日本で暮らす同性カップルの現実を認めることへの消極性に対する警告として機能するに違いない」と述べました。さらに彼は、「日本において同性カップルとLGBTIコミュニティをあらゆる形の差別から守るための、確固とした法的措置が必要だ」と付け加えました。

AP通信によると、本件を担当した裁判官の東亜由美氏は、「家族の法的定義をカップルとその子どもとすることは合理的であり、同性婚を除外することは正当である」と述べました。しかし、アムネスティ・インターナショナルや他の人権団体は、結婚の平等を人権問題であると捉えており、「同性カップルに民事婚へのアクセスを認めないことに、客観的な正当理由は存在しない」と主張しています。アムネスティ・インターナショナルはさらに、「民事婚における平等な権利を否定することは、レズビアンやゲイの関係をスティグマ化し、性的指向や性自認に基づく他の偏見や差別を助長するおそれがある」と述べています。

原告の一人である河内志乃氏は、地元メディアに対し、次のように語りました。
「正義とは何でしょうか。裁判所は本当に私たちを見ていたのでしょうか。次世代のことを考えていたのでしょうか。」

高裁訴訟の背景

2019年初頭、結婚の平等を求める同性カップルが、札幌、東京、大阪、名古屋の4地方裁判所に訴訟を提起しました。その後、福岡で1件、さらに2021年には東京でもう1件の訴訟が起こされ、合計6件、原告は36人となりました。彼らは、同性婚を認めない規定は日本国憲法に違反していると主張し、損害賠償を求めました。大阪地裁のみが現行制度を合憲とした地方裁判所の判断に続いて、2024年3月以降、5件の高裁判決が出されました。

札幌高裁は、同性婚を認めない現行制度は憲法違反であると判断しました。10月には、東京高裁が同様の判断を示しました。これら2件の歴史的かつ画期的な判決は、今後の判断の先例となりました。12月、福岡高裁は、「結婚は重要な基本的人間活動である」とし、「その権利は異性カップルと同性カップルの双方に等しく認められるべきだ」と述べ、同性婚を認めない現行法は憲法に違反すると判断しました。2025年3月の名古屋高裁判決は特に重要で、「同性カップルが法的な婚姻制度を利用できないことは、当事者だけでなく、彼らが育てる子どもたちの生活、身体、福祉に深刻な問題を引き起こす」と指摘しました。さらに、「婚姻制度とは別の制度を用いることは、本人の意思に反して性的指向の開示を求めるなど、プライバシー侵害のリスクを伴う」と述べました。同じ月に、大阪高裁もこれと同様の判断を下しました。

こうした日本各地での歴史的な勝利は、東京で残されていた最後の第二審の高裁事件に対しても前向きな判断が下されるという期待を生んでいました。しかし、結果は期待されたものではなく、これらの訴訟は来年、最高裁で判断が示される予定です。

日本における同性カップルの権利

日本は現在も、同性婚を法的に認めていない唯一のG7諸国です。同性カップルには結婚の平等な権利が認められておらず、AP通信によると、高市早苗首相率いる保守的な自由民主党は、同性婚に対して強く反対する立場を維持しています。一方で、同性カップルが限定的に公的サービスを利用できる「パートナーシップ宣誓制度」が存在します。この制度は2015年に東京都渋谷区で初めて導入され、その後、47都道府県のうち33で、すべての市区町村が制度を採用しています。

この制度では、「一方または双方が性的マイノリティである2人の個人によって、パートナーシップの宣誓および届出が行われたこと」を証明する書類が交付されます。これにより、カップルは家族として公営住宅に入居したり、パートナーの生命保険の受取人になったりすることができます。また、多くの場合、病院はパートナーを家族として扱い、面会を認めます。そのほか、亡くなったパートナーの個人情報の開示を求めることも可能です。

この制度は前進ではありますが、異性カップルに認められている権利には到底及びません。アムネスティ・インターナショナルが述べているように、同性婚を認めない状況が続くことは、LGBTQ+の人々をさらにスティグマ化し、差別を助長することにつながります。

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reluctance

「ためらい」「消極的な姿勢」「抵抗感」

ポイント

「reluctance」は何かを認めたり行動したりすることに対する心理的・社会的なためらいを表す名詞です。個人の気持ちだけでなく、社会や制度が変化を受け入れきれていない状況を指すときにも使われます。

例文

It serves as a warning of the reluctance to acknowledge the concept of same-sex marriage and the reality of same-sex couples living in Japan.
「それは、日本において同性婚という概念や、同性カップルが実際に暮らしている現実を認めようとしない消極的な姿勢への警鐘となっている。」

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