世界の新年の祝い方

英文記事執筆:まりか / 翻訳:POLYGLOTS magazine編集部 / 写真:ネウロズの祝祭(Shutterstock)
一年の終わり、新しい一年の始まり
日本や、グレゴリオ暦を使用している多くの国々では、大晦日は12月31日であり、新年は1月1日に始まります。しかし、他の多くの国々では、新年は一年の異なる時期に祝われたり、そもそも伝統的に祝われなかったりします。
年の終わりを友人や家族、大切な人たちと過ごせる幸運な人々にとって、それは過ぎ去った一年を振り返り、次の一年に思いをはせる絶好の時間です。しかし同時に、世界中が休暇に入ったように見える中でも、休みを得ずに働き続けている多くの労働者がいることを、私たちは忘れてはなりません。ある匿名のアマゾンの労働者は、アマゾンの配送を担う下請け企業で働く自分たちのような人々は、新年を迎えても、他の日と何ら変わらない一日として仕事を始めるのだと書いています。これはあまり語られることのない、しかし私たちが新年の休暇を楽しむ際に決して忘れてはならない、悲しい現実です。祝いたいと願っていても、その選択肢も、余裕も持てない人々がいるのです。
私たちが知っている元日の姿
1582年に初めて導入されたグレゴリオ暦は、現在、世界の多くの地域で使用されています。この暦によれば、1月1日が元日とされていますが、実はこの日は、一年の始まりとしては不自然な日でもあります。なぜなら、太陽の運行において特別な意味を持たないからです。冬至や夏至、春分や秋分といった、季節の変化と関わる日とも結びついていません。古代エジプト人、フェニキア人、ペルシャ人は、秋分を新年の始まりとしており、古代ギリシャ人は冬至を用いていました。日本では、1873年にグレゴリオ暦を採用するまで、太陰暦の元日を新年として祝っていました。
古代ローマ人は、もともと3月を一年の最初の月とする別の暦を使用していました。
しかし紀元前153年に、1月1日が元日として定められました。その後、約2,000年にわたって1月1日を新年の始まりとしてきたイングランドやヨーロッパの入植者たちが北アメリカを植民地化する中で、アメリカ合衆国も同じ日付を新年の始まりとして採用しました。
さまざまな新年の伝統
世界には、国や宗教によって、多様な新年の伝統があります。ユダヤ教の新年であるロシュ・ハシャナは、9月または10月に祝われ、主要なユダヤ教の祝日です。イスラム暦(太陰暦、またはヒジュラ暦)によるイスラム教の新年は、ムハッラム月の初日にあたります。イスラム教の新年は、伝統的には祝賀行事として祝われることは少なく、そのため、イスラム教徒が多数を占める国々の多くでは、新年に特有の慣習が存在しません。しかし、若い世代の中には、西洋諸国の新年のお祝いに似た形で、花火や音楽、家族や大切な人たちとの集まりを楽しむ人々もいます。
エチオピアには、グレゴリオ暦より7年遅れた独自の暦があります。エチオピアの新年であるエンクタタシュは、「宝石の贈り物」を意味し、雨季の終わりにあたる9月11日に祝われます。この新年の祝祭は教会と結びついたものではなく、宗教に関係なく、国中の人々が祝う行事です。コーヒーセレモニーの飾りとして使われる黄色い花の一種であるアデイ・アババが露店で売られ、家族への贈り物としても用いられます。このコーヒーセレモニーは、祝福、継続、そして新たな始まりを象徴しています。多くの人々は朝に教会へ行き、その後家に戻って、愛する人たちと伝統的なごちそうを囲みます。
旧正月は、中国、台湾、その他のアジア諸国などで一般的に祝われており、太陰暦の新月から始まり、最初の満月で終わります。太陰暦に基づいているため、毎年日付は多少変動し、1月21日から2月20日の間に始まって終わります。
台湾では、多くの人々が家族とともに、新年に幸運や繁栄を象徴する伝統料理のごちそうを囲んで祝います。また日本と同様に、新年を迎えるために家を徹底的に掃除します。さらに、「紅包(ホンバオ)」と呼ばれる赤い封筒に入ったお金を贈り物として受け取る人も多くいます。旧正月の最終日には、ランタンフェスティバルが祝われます。夜には家々が色とりどりの提灯で照らされ、伝統料理が振る舞われます。
国家を持たない世界最大の民族集団であるクルド人は、春分と重なるネウロズを祝います。
ネウロズは春の始まりを祝う祭りであり、クルド文化の中で最も重要な祝祭の一つとされています。それは、クルドの存在や権利を訴える機会ともなってきました。
クルドの人々は、踊り、歌い、詩を朗読し、新しい服を着て、美しい春の花を摘み、伝統料理を食べることでネウロズを祝います。クルディスタンの地域によって、伝統は異なります。南部および東部クルディスタンでは、ネウロズの前夜にかがり火が焚かれ、光の季節である春の始まりを象徴します。
日本では、新年は1月1日に祝われますが、世界各地のさまざまな習慣や伝統について知り、学ぶことは興味深いことです。また、1月1日が元日とされるようになった背景や、それが現在の形になるまでの過程を理解することも重要です。
emoji_objects本記事のイチオシ!フレーズ
「春分(しゅんぶん)」/「秋分(しゅうぶん)」
「equinox」は昼と夜の長さがほぼ等しくなる日を指し、「spring equinox」は春の始まり、「autumn equinox」は秋の始まりとして扱われます。暦や天文学、季節の説明で使われるややフォーマルな語です。
The spring equinox and autumn equinox mark the points when day and night are nearly equal in length.
「春分と秋分は、昼と夜の長さがほぼ等しくなる時点を示します。」




