ご明察! 他人の会話を“読み解ける”名人たちの推理:Part 3 会話問題のコツ

【富岡恵のほめる!TOEIC 第4回】

「TOEICは以前受けたことあるけど、ここ最近あまり受験モチベーションがあがらない」「昇進に必要らしいから今度TOEICはじめて受けてみようかな。でもなんか大変そう」というみなさん。

この連載では「英語&TOEIC大好き」な英語講師・文筆家の富岡恵先生が、TOEICのテスト概要やそれぞれのPartの問題の解き方のコツを解説しながら、受験者・受験予定者のみなさんを「褒め」まくり、あなたの受験モチベーションを向上させていきます。

また、TOEICの問題が、そしてそれを「受験する行為」自体が、いかに実生活に密接に関わることかも力説。TOEICが「意味ある英語テスト」であることを再提示していきます!

このコラムを読んで気分を↑あげ↑て、PositiveにTOEICに取り組んでみましょう!

注1:本記事では主に、みなさんご存じの「あの」名探偵たちを褒めまくっています。
注2:本記事に登場する名探偵のイラストは富岡恵画伯によるものです。

こんにちは、英語講師・文筆家の富岡恵です。日本だけで勉強して早35年。日々英語を学ぶこと、教えること、本を書くことを心から楽しみ、続けております。そんな私が、大学生や社会人がきっと一度は目にしたことのある英語資格試験・TOEIC L&Rテストについて解説し、受験者たちの挑戦や偉業を褒めまくる、モチベーションアップ(?)コラムです。

前回は、Part 2の応答問題について、思いの丈を込めて上級者の尊さについてお伝えしました。そして今回はPart 3 会話問題を取り上げます。果たして、どのような問題で、どのようなドラマが待っているのか…

では早速、褒めていきます!

質問文を先読みする名探偵!

いよいよリスニングパートも後半戦。ここからグッと難易度が上がります。というのも、Part 1写真描写問題では写真と音声、Part 2応答問題では音声のみだったのですが、Part 3会話文問題からは英文を「読む」というタスクも課されます。「え?てことはリーディング力も要るのね?」と困惑顔の皆様、そうなのです、半分リーディングなのです。Part 3の問題形式をご説明しますと、2人から3人による、2〜3往復程度の会話を聞きます。1つの会話につき3つの設問。13の会話が出題されるので、各3問×13題=39問にチャレンジします。これまで通り、音声を聞けるのは1度だけ。メモもNGです。このような高難易度な状況に果敢に挑み、会話を読み解くのは…そう、名探偵です!ということで、本日は読み解きのプロ御三方をお招きしています。

sherlock



まず、素敵なコートがお似合いの紳士に、Part 3の解き方のコツを伺ってみましょう。シャーロックさん、よろしくお願いします。

TOEIC Part 3のコツ?それは事件が起きる、もとい、音声が流れる前から、事前にできる準備をしておくことだよ、ワトソン君。Part 3に入ると問題の前にdirectionという指示文が流れる。狙い目はそこだ!directionを集中して聞く必要は全くない。directionが流れている約30秒の間に、No.32からNo.34までの質問文をあらかじめ読んでおく。
そう、「先読み」をするのだ。待てっ、選択肢は無理に読もうとしなくていい。選択肢4つ中3つは間違いだから、聞きながら混乱してひっかけに引っかかってしまう場合がある。そして、諸君がビギナーの場合、そこまでの時間の余裕はおそらく、ない。

「先読み」ではどんな質問なのか、問われている内容を理解するだけでいい。まずは文頭のwho・when・whatなどの「疑問詞」に注目。文の意味を理解する上で重要な「内容語」と呼ばれる「名詞」や「動詞」、それから主語はthe manなのかthe womanなのかを見極めて、その人物のセリフをよく聞くように意識したまえ。質問文はその後に読み上げられるから、そのタイミングでマークするように。健闘を祈る!

それとワトソン君、英文をきちんと訳す必要はないのだよ。あくまでも「何を聞かれているか」だけが分かればいい。もし質問文も選択肢も全て読みたい!と言うのなら、語彙を増やし、Part 3の問題に慣れ、もう少し腕を上げてからにしたまえ。練習を重ねている君なら、いつかこの域に達するだろう。

わー、なるほどー!さすが、頭の切れる達人はちがいますねぇ。やるべきことがとても明確。解くための手順を決め、大変テキパキと問題解決にあたっている…、敬服!

では、ここで実際に一問チャレンジしてみましょう。先読みマスター・シャーロックのアドバイスを取り入れた解答の手順をまとめておくと、

① 質問文だけを先に読み、理解する。

② 会話の音声を集中して聞く。

③ 読み上げられる質問文に沿って、答えを選ぶ。

です。それでは、どうぞ!


1. Who most likely are the speakers?

(A) Students
(B) New employees
(C) Restaurant staff
(D) Online administrators

2. What problem does the man mention?

(A) His computer is broken.
(B) The order was not completed.
(C) A delivery address was incorrect.
(D) An item is out of stock.

3. What will the woman do next?

(A) Contact the store
(B) Speak with the chef
(C) Check a password
(D) Cancel the order


いかがでしょうか。先読みした質問文の答えは聞き取れましたか?答え合わせの前に、読まれていた英文を文字で確認してみましょう。

Man: Hi, Agatha. I’m getting ready to welcome a new chef who is joining us next month. Can I ask about buying his uniform?

Woman: Of course. It’s almost time to welcome the new employee, so we should place the order online in advance.

Man: Actually, I’m trying to order an apron, but I keep getting an error and can’t complete the purchase. It worked fine the last time I placed an order.

Woman: Hmm, that’s a problem. Before we started using the online system, we used to order directly by phone, so I’ll call the store now. I’ll also order a hat.

この会話と、先ほどの質問文と選択肢を日本語にしてみますと、

男性:こんにちは、アガサ。来月加わる予定の新しいシェフの受け入れ準備をしているところです。彼が着る制服の購入について、質問をしてもいいですか。

女性:もちろんです。新人を迎えるのはもうすぐですね。オンラインで少し早めにそれを注文しておいた方がいいですね。

男性:実は、エプロンを注文しようとしているのですが、エラーが出てしまって購入できないのです。以前に発注した時は、このやり方で問題なかったのですが。 

女性:ふうむ、困りましたね。オンラインを使い始める前は電話で直接注文していたので、私が今からその店に電話してみましょう。追加で帽子も買っておきますね。

1. 話し手たちは誰だと考えられますか。
(A) 学生
(B) 新入社員
(C) レストランのスタッフ
(D) オンライン管理者

2. 男性はどんな問題について述べていますか。
(A) パソコンが故障している。
(B) 注文が完了しなかった。
(C) 配達先の住所が間違っていた。
(D) 品物が在庫切れである。

3. 女性は次に何をしますか。
(A) 店に連絡する。
(B) シェフと話をする。
(C) パスワードを確認する。
(D) 注文をキャンセルする。

どうだね、ワトソン君、事前に先読みをしておいてやっぱり良かったであろう、ワハハ。会話の途中でちょっとよくわからないところがあっても、質問にさえ答えられればいいのだからな!

なんと割り切った取り組み方。余裕の表情を浮かべるシャーロックプロ、お見事です、感服!

この問題の解決編は、この後すぐ。

正体不明の複数人から情報を得る警部殿!

冒頭でお伝えしたように、Part 3の会話文は2人ないしは3人の会話です。ただし、登場人物は全員正体不明で、居場所も謎。初心者は次々聞かされる謎の会話に「だだだだれ?」「どどどどこ?」という混乱するのが普通です。おっと、ここで、かぐわしいお紅茶の香り。



本日二人目の達人は、特命係所属の警部殿です。それでは右京さん、先ほどの例題の解答と解き方をご伝授ください!

おやおや、この例題の解説ですか。興味深いですねぇ。

1問目、まずは Who から始まる頻出問題…いわゆる「正体探し」ですね。実際の会話というものは、わざわざ「私はレストランの従業員です」なんて野暮な自己紹介はしないものです。ですから、散りばめられたキーワードから真実を導き出さなければなりません。いいですか、亀山くん。会話の中にあった “chef” “uniform” “apron” そして “hat”。これらの手がかりを繋ぎ合わせれば、自ずと答えは見えてきます。正解は (C) Restaurant staff。  ”uniform ” という言葉に惑わされて「学生」を選んだり、聞こえてきた “new employee” や “online” という言葉に飛びつくのは、あまりに早計というものですよ。

2問目は、男性が抱える問題についてですね。彼の2つ目のセリフに注目してください。

“I keep getting an error and can’t complete the purchase. “
「エラーが出てしまって購入(を完了)できないのです。」

この事実に合致するのは、能動態を受動態へと巧みに言い換えた (B) The order was not completed.です。選択肢(A)パソコン故障、(C)配達先の住所、(D)品物の在庫とありますが、そんなことは会話に出てきていなぁああい!(急に激昂) 決して、引っかかってはいけないのですよ…!(震え)

さて、3問目、女性が次に取るべき行動…。これは、彼女のセリフの「終盤」に、決定的な証拠が隠されていました。

“I’ll call the store now.”
「私が今からその店に電話してみましょう。」

もう答えを言っているじゃありませんか。この一言を聞き逃さなかったのなら、”call” を “contact” に表現を変えた (A) Contact the store. 店に連絡する が正解であることは、もはや明白です。他の選択肢には、(B)シェフ(C)パスワード(D)注文という、またそれっぽいワードが入っていて、誤答を誘っているのですね。細かいところが気になるのは、僕の悪い癖。あ、最後にひとつだけ。実はこの「言い換え(パラフレーズ)」を制する者こそが、TOEICを制すると言っても過言ではありませんよぉ。

くーっ!解説のなんたる切れ味!解答選びに選択肢の消去法。どこをとっても無駄がありませんね、さすが右京プロ、痺れるっ。このパートで正解しまくる受験者の皆様も、こんなふうにキーワードや言い換えを即座に見抜いて解答しているのですね、ハイスペック!捜査一課とともに最敬礼!

図と選択肢のトリックを見極める名探偵!

あのぅ、ちょっと言いそびれていたのですが、Part 3は質問文・選択肢の他にもグラフィック(図や表、あるいは地図などの資料めいたもの)を見ながら、会話を聞いて解く、という複雑怪奇な問題があります。それも、解き疲れてくるパートの最後に3題ほど…。


あ、「バーロー!」とお怒りなのは、本日3人目の達人、コナンさんですね?大きなメガネがちょっぴりズレてしまったようですが、この問題の解き方のコツ、伺ってみましょう。

え?この問題?
「見た目は厄介、やり方一定。その名はグラフィック問題!」

あらあら、コナンプロってば、キャッチーな雄叫びをあげていらっしゃる。じゃ、先に例題にトライしてみましょうか。会話は先ほどと同じですが、グラフィック=表も見て、答えを選びましょう。あっ!ここでもシャーロックプロから習った「質問文先読み」を忘れずに。


ORDER LIST
ItemPrice
Gloves$5
Apron$15
Hat$25
Uniform$50
  1. Look at the graphic. What amount will be added to the woman’s purchase?
    (A) $5
    (B) $15
    (C) $25
    (D) $50

さて、どうでしたか?質問文だけの問題と比べると、ちょっと手間がかかりますよね。解決編の前に、日本語訳を確認しておきましょう。

注文リスト
品物料金
手袋$5
エプロン$15
帽子$25
制服$50

4. 図を見てください。女性の購入にはどの金額が追加されますか。

(A) 5ドル
(B) 15ドル
(C) 25ドル
(D) 50ドル

それではお待たせしました、解答解説。出番ですっ、コナンプロ!

オッケー!この質問は、「女性が買うものの金額」についてだね。このグラフィック問題に関しては、選択肢も見て。どれも「金額」が並んでるよね?それが分かったら、グラフィックの表を確認。右側の列が「料金」で、それに対応する左側の列には「品物の名前」が書いてある。そう、これがトリックなんだ!会話の中では、「金額」は出てこない。その代わりに、「品物の名前」が手がかりとして語られるはずだよ。女性のセリフに集中して聞いていると、最後の最後に…。

“I’ll also order a hat.”
「追加で帽子も買っておきますね。」

この一言が聞き取れたら、チェックメイト! “hat” 帽子 をグラフィックで探して、紐付いた情報である料金は…$25。つまり、正解は (C) ってわけ。一見、手が込んでいるように見えるグラフィック問題だけど、この「情報紐づけ」のコツさえ掴んじゃえば、迷わずに正解に辿り着くよ。真実はいつもひとつ!

出ましたー、会心の決め台詞!そして、迷いなきマーク塗り炸裂っ。グラフィック問題もこれで無事解決ですね、やんややんや!おや、最後にコナンプロから受験者の皆様に応援メッセージがあるとのこと。

リスニングパートの後半、毛利のおっちゃんは聞き疲れて眠っちゃってるけど、テスト中のみんなは、頑張って解答を続けてね!

ということで、いかがでしたか。今回はTOEIC Part 3会話問題のプロ、3人の名探偵(警部殿含む)とともにお送りいたしました。大事なキーワードを聞き逃さず、言い換えを瞬時に察知し、ひっかけの罠をすり抜け、情報を紐付けして、きらり閃き、颯爽とマーク。そして彼らに共通するのは、膨大な知識量と場数です。こんなふうに会話を読み解き、難事件(難問)をことごとく解決する鋭い耳と目を持つ受験生の皆様は、シャーロック・右京・コナンと並ぶ名探偵。そんな方々の凄みをご紹介できて、本望です!

それでは次回「長い話聞けるなんて辛抱強い!Part 4 説明文問題のコツ」も、どうぞお楽しみに!

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https://www.iibc-global.org/toeic/test/lr/guide01/schedule.html

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