「私の緊急連絡先になってくれない?」

英文記事執筆:SAKURACO / 翻訳:POLYGLOTS magazine編集部

The Grammar of Life:
アメリカ在住のライターSAKURACOが、日々の暮らしや子育て、人々とのコミュニケーションの中で出会った「言葉」について想いを巡らせる隔週連載。人生をいろどり、かたどる言葉たち(The Grammar of Life)を、一緒に味わってみませんか。
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学校では教えてくれないことのひとつは、大人になってから友達を作るのがどれほど難しいか、ということです。レジで前に並んでいる素敵な人に、「友達にならない?」って気軽に聞けたらいいのに、と思います。ですが、住宅ローンがあって、仕事があって、社会常識への意識も高く、プライドもある一人前の大人になると、残念ながらそんなに簡単ではありません。

そして、誰かに「あなたは私の親友です」と伝えたいときは、さらに難しくなります。もちろん、自分たちを「⚪︎年生」と呼ばなくなった頃から、「親友」という概念そのものが変わっていきます。もう三年生の頃みたいな排他的な友情ではありません。成長するにつれて、親友は一人だけじゃなくてもいいのだと気づきますし、「親友」みたいな少し子どもっぽい肩書きで、お互いがどれほど大切な存在かをわざわざ宣言する必要もないのだと分かるようになります。

でも実のところ、私は今でも、あの9歳の女の子を心の中にしっかり抱えています。そしてその、おさげ髪の小さな女の子は、自分の大好きな新しい友達に、「あなたは、まさに私の親友なんだよ」と伝えたがっているのです。

ただ問題は、その子の中の37歳の部分が、そんなふうに心を開いて、「あなたは私の親友です!」と言うことを怖がっているということ。というのも、その人は、自分が本当に、本当に好きな相手に気持ちを返してもらえない痛みを、嫌というほど知っているからです。だから彼女は、自分の愛情や感謝を相手に表現するやり方を、ひそかで控えめなものにすることを覚えました。

子どもの頃、彼女は「親友」という肩書きを、ブレスレットみたいに気軽に交換していました。今では、その代わりに、とても当たり障りのない“大人版”の表現を使って、「家に着いたらメッセージしてね」とか、「迎えに行こうか?」とか、「数時間なら子ども見ていられるよ」と言うのです。

そんな彼女が、ある日、その一歩先へ進むことにしました。なぜなら、やはり痛みを伴う経験を通して、人生で最も後悔することのひとつは、「その人が自分にとってどれほど大切だったか」を伝える機会を逃してしまうことだと学んだからです。だからある日、彼女は勇気を振り絞って、つい最近自分の人生に入ってきたばかりの新しい友達に、こう尋ねました。

「ねえ、まだ知り合ってそんなに経ってないのは分かってるんだけど……私の緊急連絡先になってくれない?」

読者のみなさん、その友達は「いいよ」と言ってくれました。

人生でいちばんつらい時に自分を支えてくれること、そして、そういう支えや思いやりや愛情を引き受けることに「yes」と言ってくれる人がいるというのは、本当に素晴らしい気持ちでした。私は、親友になりたいと思えるほど素敵な人に出会えただけでなく、新しい人生、新しい国、そして新しい言語の中で、友情を築き、育てることができたのです。

私たちが新しい言語を身につけるとき、それが第二言語であっても七つ目の言語であっても、目指すものはいつも同じです。それは、人々やその文化ともっと深くつながるためであり、そしていつの日か、その言語で十分に自然で上手に、遊び心のある創造的な言い方で「友達にならない?」と言えるようになるためなのです。

emoji_objects本記事のイチオシ!フレーズ

BFF / bestie

「親友」「大親友」「仲良し」

ポイント

「BFF」は “Best Friends Forever” の略で、「ずっと親友」という強い友情を表す表現です。一方、「bestie」は “best friend” をくだけて言った口語表現で、より軽く親しみのある響きを持ちます。どちらもSNSやカジュアルな会話でよく使われます。

例文

She has been my BFF since elementary school.
「彼女は小学生のころから私の大親友です。」

I’m going shopping with my bestie this weekend.
「今週末は親友と買い物に行く。」

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※このエッセイはSAKURACOさんが英語で執筆したものを、編集部で和訳しました。