文とか表とか同時に処理できる人って、処理能力が飛び抜けてるし、実生活でもなんでもできる(?)だろうし、最強の人間としか言いようがない!不可能を可能に!ミッション・ポッシブル!:Part 7長文読解のコツ

【富岡恵のほめる!TOEIC 最終回】

「TOEICは以前受けたことあるけど、ここ最近あまり受験モチベーションがあがらない」「昇進に必要らしいから今度TOEICはじめて受けてみようかな。でもなんか大変そう」というみなさん。

この連載では「英語&TOEIC大好き」な英語講師・文筆家の富岡恵先生が、TOEICのテスト概要やそれぞれのPartの問題の解き方のコツを解説しながら、受験者・受験予定者のみなさんを「褒め」まくり、あなたの受験モチベーションを向上させていきます。

また、TOEICの問題が、そしてそれを「受験する行為」自体が、いかに実生活に密接に関わることかも力説。TOEICが「意味ある英語テスト」であることを再提示していきます!

いよいよ今回で本連載も最終回!ここまでたどり着いた皆さんにまずは大きな拍手!さあ、ここまで来たら、TOEICを受験するだけ!富岡先生のPositive Vibesをお守りに、高得点を目指して、いざ本番!


こんにちは、英語講師・文筆家の富岡恵です。日本だけで勉強して早35年。日々英語を学ぶこと、教えること、本を書くことを心から楽しみ、続けております。そんな私が、大学生や社会人がきっと一度は目にしたことのある英語資格試験・TOEIC L&Rテストについて解説し、受験者たちの挑戦や偉業を褒めまくる、モチベーションアップ(?)コラムです。

前回は、Part 6の長文穴埋め問題について、テンション高めでお伝えしました。今回はいよいよ最終回!Part 7長文読解問題に注目します。果たして、どのような問題で、どのような対処法があるのか…

では早速、褒め例えて*いきます!

*褒め例える・・・TOEICに挑戦する人々を「褒め」る、という当初のコンセプトから、孫悟空、わんこそば、聖徳太子、名探偵、忍者など、TOEIC攻略のコツを何かに「例え」る方向に徐々にシフトしている本連載のコンセプトを再定義するための著者・富岡恵による造語。

ここまでたどり着いただけで拍手!

いやぁ、ついにここまで来ました、Part 7。よくぞここまであきらめずにページをめくり、マークを塗ってこられました、大拍手です!試験開始からすでに1時間以上が経過し、そろそろ肩や腰が痛くなってくるタイミングです。(小さくストレッチ推奨。)しかーし!最後かつ最多問題数のパートでございます、長文読解問題。読解のみならず「速読」という要素も秘めています。Part5,6を1問20秒×46問=約15分(←大谷レベル ※連載第6,7回参照)で解くとすると、残りは60分。ちょっとゆるやかに見積もって、20分で解くとすると、残りは55分。計54問という問題数を制限時間内に解き終わるためには、1問1分程度で解くのが理想。2問ある長文なら2分。4問あるなら4分です。ん?方々から「うそでしょー!」「そんなばかな!!」「ミッション・インポッスィボー!!!」という声が聞こえてきます。お気持ち、とてもわかります。「と、解き終わらない…」という焦りや悔しさは、受験したことのある方ならば1度は感じたことがあるはず。そんなパートで巻き起こるどんなミッションも時間内に解決できちゃう上級者は、もはやトム・クルーズ!BGMとして、あの緊張感のあるタイトル曲を流したい!

イメージイラスト:富岡恵

多数のランダム謎文書を次々読めるその集中力に乾杯!

Part 7全54問の構成を詳しく見ていきますと、

シングルパッセージ問題(文書1種類)       10題×2〜4問=29問
ダブルパッセージ問題(文書2種類)          2題×5問=10問
トリプルパッセージ問題(文書3種類)       3題×5問=15問

出題される文書の種類は、

・coupon             クーポン
・advertisement 広告
・agenda             議題(会議などのスケジュール表)
・Web page         ウェブページ
・e-mail              Eメール
・letter                手紙
・article              記事

などです。いろんな謎文書が出てきます。さあ、それでは!本連載恒例・最後の想像(妄想)タイムスタート!

ある朝、”Good morning!“と、軽快に出社するトム。(サラリーマンの設定です。)

おや?机には見たことのない書類の束が。通りかかった上司がトムにこう言います。
「あ、トム。今日スミスさんお休みだから、代わりにそれ読んで処理しといて。」

(Seriously? ま・じ・で?)←心の声

Part 7の長文問題というのは、何の話か、どこの話か、登場人物が一体誰だかわけわかめな文書が何種類もやってきます。もしも実際の仕事場でこんなことがあったら、文書を2つ3つしぶしぶ読んで、すぐさまコーヒーブレイクを入れますよ。給湯室で同僚に「なんなんだあれは!ちぇ。」なんて言いたくなるはず。そんな気持ちをグッと抑えて、一人黙々と、休憩なんざ挟まずに果敢に読み続けるのがTOEIC上級者のトム。ありえない状況を前に、脇目もふらず一心不乱に読み続けるその姿勢と集中力に乾杯。賞賛せずにはおれません!相当な無茶振りですからね、これは。そしてなんといっても制限時間がきつい。1問1分って、ほんと、あのトムだって全力疾走。持久力・インクレディブル!トムを目指す受験者の皆様は、あんなふうに急いで走る(読む)と怪我します。日頃のトレーニングが必要不可欠。内容が正確に読めるようになればなるほど、自然と読むスピードも上がっていきます。

それでは、ここで例題にチャレンジしてみましょう。article=記事を使ったシングルパッセージ問題です。ここでは本連載の前回・前々回の復習を兼ねて、連載をお読みいただいている方には見覚えのある文や内容が出てきます。今回のPart 7も、Part 5やPart 6同様「どの文もできるだけ正確に読む」ことを意識してみてください。。

この記事問題には質問が3問。ということで、制限時間は3分です。初心者の皆様も制限時間のきびしさを体感するために、まずは3分測って挑戦してみてください。解き切れない場合は、時間を延長してOKです。

1. What is the purpose of the article?
(A) To review recent performances by a string quartet
(B) To describe the history of a ninja outfit
(C) To promote ticket sales for upcoming concerts
(D) To provide information about a music group’s plans

2. What is mentioned about Detective N?
(A) It combines classical music with storytelling elements.
(B) It has recently added new members to the group.
(C) It performs mainly in traditional concert halls.
(D) It focuses only on digital streaming performances.

3. In which of the positions marked [1], [2], [3], and [4] does the following sentence best belong?
“We are excited to reconnect with our fans and share what we’ve created.”
(A) [1]
(B) [2]
(C) [3]
(D) [4]

3分速読体験、いかがでしたか。では、答え合わせの前に、日本語訳を見てみましょう。

1. この記事の目的は何ですか。
(A) 弦楽四重奏団による最近の公演を批評すること
(B) 忍者の衣装の歴史を説明すること
(C) 今後のコンサートのチケット販売を促進すること
(D) ある音楽グループの計画について情報を提供すること

2. ディテクティブNについて述べられていることは何ですか。
(A) クラシック音楽と物語要素を組み合わせている。
(B) 最近、新しいメンバーがグループに加わった。
(C) 主に伝統的なコンサートホールで演奏している。
(D) デジタル配信のパフォーマンスのみに焦点を当てている。

3. [1]、[2]、[3]、[4]と記載された箇所のうち、次の文が入るのに最もふさわしいのはどれですか。
「私たちはファンと再びつながり、私たちが創り上げてきたものを共有できることを楽しみにしています。」
(A) [1]
(B) [2]
(C) [3]
(D) [4]

日本語で読んでみると、「あー、これが答えか」となるかもしれませんが、慣れている日本語でも「これを速読して!」と言われると、ドキドキしてしまいますよね。それが英語となると焦ってしまうのは当然です。

それでは、問題の解答と解説です。ご存じの方はトム・クルーズの吹き替え版のクールな声でどうぞ!

1の正解は(D)。「記事の目的」は、この記事のタイトルと第1段落を特に意識するんだ。
「ディテクティブNが世界的な復帰ツアーを告知した」ということを伝えるのが記事の目的。選択肢では provide information「情報を与える」と抽象的に言い変わっている…本文で具体的な内容が、選択肢では抽象化されるというのはTOEICでは頻出。覚えておこう。ちなみに他の選択肢もしっかりチェックすると正解率が上がる。消去法だ。
(A) review → 「批評」した記事ではない
(B) history of a ninja outfit→ 「忍者の衣装の歴史」の詳細説明ではない
(C) promote sales → チケット販売の「促進」ではない
本文中に出てきた単語が、選択肢でひっかけとして使われているトラップに気をつけろ。
ピンポイントで誤りに気づくためには、とにかく慎重に読むこと。単語の意味を正確に察知できるように練習を重ねるんだ。

2の正解は(A)。「ディテクティブNについて述べられていること」はこの記事全体に散りばめられている!全文をしっかり読んで、消去法で正解を選べ。本文第2段落の
1行目 blending classical compositions with modern storytelling elements「クラシックの楽曲と現代的な物語要素を融合させる」と一致するのは(A)。blendがcombineに言い換えられているが、まさにTOEICらしい言い換えだ。他の選択肢は、
(B) メンバー追加 → 記載なし
(C) 主に伝統的コンサートホールで → 記載なし。第2段落最後にあるbeyond traditional classical music circles「従来のクラシック音楽の枠を超えた」の、traditionalという単語に引っかからないように。
(D) 配信のみ → 第1段落最後 both live concerts and digital streaming platforms「ライブコンサートとデジタル配信プラットフォームの両方」とあるので誤りと分析するんだ。

3の正解は(C)。Part 7にも文挿入問題があるんだ。だがここでは、挿入する文は決まっていて、本文中に散りばめられた4つの空欄のうち、どの場所にその文を入れるのがいいかという問題形式。まずは挿入文を分析して、手がかりを探そう。代名詞We…「私たち」って誰だ?! our fan=「私たちのファン」となると、これはアーティスト自身、ディテクティブNのメンバーのセリフだ。となると第3段落の最後、The group’s leader, Hattori, said in a recent interview.「グループのリーダーである服部は、最近のインタビューでそのように述べた。」の前にある[3]の位置に挿入するのがふさわしい。解決のヒントは必ず挿入文にある。「なんとなくいけそう」なんていう軽い感覚で選ばないようにな。

ということで、シングルパッセージ問題、ミッション・コンプリート!

マルチプルパッセージをあの短時間で読み解けるなんて天才!

上の例題のようなシングルパッセージ10題(ひー多い!)を終えると、次にやってくるのはマルチプルパッセージ問題です。改めて問題数を確認しますと、

ダブルパッセージ:2題×5問=10問
トリプルパッセージ:3題×5問=15問

最後の5題がめちゃんこきついじゃん!そう、これもまさに「ミッション・インポッシブル」み全開、最後の最後に来る山場。引き続き謎文書と制限時間に追われまくる上級者トム、および全受験者の皆様は息も絶え絶えの中、あきらめない姿勢を維持。すごい、すごすぎる。心から「がんばれー」と叫びたい!

このマルチプルパッセージ問題では、複数の文書を確認することで初めて答えがわかる、という問題が5問中2問ほど出題されます。長文読解と速読に加えて、情報処理スキルも求められます。

では、ダブルパッセージ問題に挑戦です。先ほどの記事を1つ目の文書と仮定して、2つ目の文書であるEメールも併せて出題されたということにします。記事とEメールの内容の両方を踏まえて、1つの質問に答えてみましょう。本来の制限時間は1分ですが、ここでは、問題を解くのに何分かかるかを測りながらチャレンジしてみてください。 (記事も再掲します。)

4. Where will Kenichi see Detective N perform?
(A) Osaka
(B) Tokyo
(C) A city in Europe
(D) A city in North America

いかがでしょうか。記事の内容をばっちり把握していた場合は、案外Eメールを読んだ時点でピンときた方もいるかもしれません。それでは、解答解説の前に、Eメールと追加質問の日本語訳を確認してみましょう。

4. ケンイチはどこでディテクティブNの公演を見る予定ですか。
(A) 大阪
(B) 東京
(C) ヨーロッパの都市
(D) 北米の都市

マルチプルパッセージに出題される「両方の文書を確認しないと解けない問題」は、記事とEメールを紐づけて、情報を読み取る必要があって、ミッション・コンプリケイティッド(複雑な任務)!それでは、この最後の問題の答え合わせと解説です。息を切らしながらも、諦めない心で勇敢に立ち向かうトム(日本語吹き替え版)でどうぞ!

はーはー。疲れは隠せないが、そんな時こそ慎重に読むんだ。Eメール第2段落で書き手のケンイチは「7月10日に見に行く」とだけ書いてあって、場所は分からない…。待てよ?その情報は確か、記事の最後の段落に書いてあったはず!確認すると…第4段落の1文目にTokyo on July 10とある。つまり正解は(B)東京だ!
ぜーぜー、Mission completed…!

♪ちゃら〜(最後の決めBGM)

無事ハッピーエンドを迎えたトム、並びに例題にチャレンジしてくださった読者の皆様、おつかれさまでした!今回は記事とEメールのダブルパッセージを例題にしましたが、本番では、スケジュール表やグラフなんかも組み合わせて、トリプルパッセージとして出題されることもあって、難易度は増すばかり。テストの最後の最後にこんな壮大な問題をすばやく正確に読み解けちゃうなんて、もう天才。そんなトム、およびTOEIC上級者の皆様は、処理能力が飛び抜けてるし、生きてく上でなんでもできるし、最強の人間としか言いようがないっ!加えて、その境地を目指して日々鍛錬を積む学習者の皆様にも、特大の敬意・称賛・応援の気持ち・トムがつけてそうな命綱(イマジナリーですが、本番のお守りにしてください。)をお送りします。一歩ずつでも、日々継続して読み解く練習することで、いつか読める!しっかりすばやく読めるようになるっ!(祈祷いたしました。)

ということで、TOEIC 最後のパート・Part 7長文読解問題について、熱くお伝えしました。

ビジネスシーンでも、文章をすばやく正確に理解することはとても大事なスキルです。それを英語でもできるようになれば、できる仕事の幅は確実に広がります。実際、Part 7の問題練習でEメールを読み続けたおかげで、英語のEメールに動じなくなったという体験談をいくつも知っています。翻訳サイトやAIももちろん大きな助けになりますが、即時対応が求められる場面では、自力で読める力がなにより肝心。Wi-Fiがなくたってどんとこいです。

初回のTOEIC L&Rテストの概要から、Part 7まで完走していただいた読者の皆様、おつかれさまでした!この連載を通して、それぞれのパートのコツはもちろん、それを解きこなす凄さ、素晴らしさ、有意義であることなどが少しでも伝わって、皆様の日々の英語学習やTOEIC受験の後押しになっていたら幸いです。英語学習中およびTOEICの試験中に、この連載で繰り返した「褒め」を、思い出してみてください。きっと勇気が湧いてきます。そして、さまざまな環境の中で、さらに歩みを進める皆様は、かっこいい。どこからどうみてもかっこいいです!これからのTOEICスコアアップと英語の実力アップを、心から祈っております!

お申し込み可能なTOEIC公開テストの日程や詳細は、公式サイトをご確認ください。
https://www.iibc-global.org/toeic/test/lr/guide01/schedule.html

富岡恵の「ほめる!TOEIC」シリーズ